「吉祥寺」「湘南」「軽井沢」どこからどこまで論争 お店や施設を可視化してみたデータに隠された真実(3/4 ページ)

» 2024年01月05日 09時00分 公開

どこまでが「軽井沢」と言える?

 ブランド地名といえば「軽井沢」も有名です。行政区分としては長野県軽井沢町という自治体がありますが、地図を見るとお隣の御代田町(みよたまち)だけでなく、浅間山の北側に位置する群馬県長野原町、嬬恋村(つまごいむら)にも“軽井沢”が広がっています(図4)。

 御代田町は高原野菜や製造業で栄える人口1.6万人の町で、近年では軽井沢町や佐久市のベッドタウンとしても人口を増やしています。さわやかな高原気候と雄大な浅間山ビューは軽井沢に勝るとも劣らず、町内のあちこちにホテルや貸別荘が建っています。

 また、群馬県側では 1926年に軽井沢と草津温泉を結ぶ鉄道が開通し、その途中にあった地蔵川、地蔵堂と呼ばれるなだらかな高原が避暑地「北軽井沢」として開発されるようになりました(鉄道路線は 1960〜1962 年にかけて廃止)。

 どちらも独自の風土や見どころがあるすぐれた避暑地ですが、知名度の高い軽井沢の名前を借りたことが知名度向上に一役買った――そんな側面もあると考えられます。

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