「吉祥寺」「湘南」「軽井沢」どこからどこまで論争 お店や施設を可視化してみたデータに隠された真実(1/4 ページ)

» 2024年01月05日 09時00分 公開

 皆さんは「湘南」と聞いて、どのあたりの地名を思い浮かべますか? サザンオールスターズの桑田佳祐さんの故郷・茅ヶ崎市や、江ノ島のある藤沢市がぱっと思いつきますが、実際のところ、どのあたりまでが「湘南」なのでしょうか。

 この疑問を解くために、神奈川県内で「湘南」とつくお店や施設を可視化してみました。海沿いのイメージが強い「湘南」ですが、その地名を冠した施設が、思いのほか広範囲に見られることがわかります(図1)。「どこまで湘南?」論争がまとまらないのもうなずけます。

 ブランド地名「湘南」の由来には諸説ありますが、一説として、鎌倉時代に日本に禅宗が入ってきたときに、中国の湘南地域(長江の支流・湘江の南側)にあやかって、鎌倉周辺を「湘南」と呼ぶようになったと言われています。また、17世紀に崇雪(そうせつ)という人が大磯に俳諧道場・鴫立庵(しぎたつあん)を建てたときに、この地の景勝をたたえて標石に「著盡湘南清絶地」と刻んでいます(※)。

(※)現在、この標石は少し離れた郷土資料館の建物内に移設されています。鴫立庵には標石のレプリカがあるほか、2016年には大磯駅前にも「湘南発祥の地」の石碑が建ちました。

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