運行本数1.5倍「駅」3倍 BRTで再生の日田彦山線(1/3 ページ)

» 2024年01月11日 11時00分 公開
[産経新聞]
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 平成29年7月の九州北部豪雨で不通となっていたJR九州の日田彦山線の一部区間が今年8月、バス高速輸送システム(BRT)に生まれ変わった。添田(福岡県添田町)−日田(大分県日田市)間の約40キロで、既存の12駅に加えて24カ所の停留所を新設、運行本数も鉄道時代の1.5倍に増やすなど、地域密着を前面に押し出している。

 彦山(同町)−宝珠山(福岡県東峰村)間の約14キロは線路跡を舗装した専用道。間にある釈迦岳トンネルは4379メートルあり、単線幅を走行するバスは迫力満点。ローカル輸送だけでなく、観光客の利用も期待される。

 BRTは専用道や専用レーンでバスを走らせる仕組みのことで「Bus Rapid Transit」の頭文字をとった。「ひこぼしライン」の愛称がつけられ、開業1カ月で1日平均約400人が利用。鉄道時代の約3倍と好調だ。

photo 鉄道のホームにバスが横付けするかたちの添田駅。乗り換えはスムーズだ

 列車とBRTが接続する添田。乗り換えは同じホームでできる。列車が着くと10人近くがバスを待つ列に加わった。地元ではなく、BRTを体験しに来た人が多いようだ。座席数が20もない電気バスはほぼ満席となり、続行便が出るようだ。一般道に出て最初の停留所は畑川(医院前)=添田町。病院の敷地内に入り、玄関横に停車した。通院者には便利だろう。

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