それは約2年前のこと。同社に内定が決まった男子大学生がいたという。その後、男子大学生は有名なインフラ企業からも内定を得た。最終的にこの学生はインフラ企業への就職を選んだという。
「本人は当社への入社を希望していたというが、どうやら親御さんからの反対があったようだ」。経営企画本部長の林昌洋さんはこう話す。
当時の内定者への手厚いサポートを自負していたといい、学生の入社意欲も高かったという。それだけに内定者の一人を逃してしまったのは非常に悔やまれた。
林さんは「当社の良さを内定者の家族にうまく伝えられていなかったと深く反省した」と話す。同社の「アシスト」という社名は、全国で最も多い社名だという。国税庁の「法人番号公表サイト」によれば約700社存在する。同社はテレビCMなどを流しておらず、知名度が高いわけではない。
「知名度が高い企業を親御さんが子どもに進める気持ちは当然理解できる。もっと当社のことを広く知ってもらう必要があると考えた」(林さん)。こうした経験が、今回のイベント開催につながったという。
林さんは、昨今の学生と親の関係性の変化も感じているという。
「今の学生は昔に比べて、親御さんとの距離が近い。今の学生にとって親は相談相手。親に従っているのではなく、よく考えながら企業を選んでいる」(林さん)
こうした傾向は各種調査からも見て取れる。転職サービスのdodaが2023年11月に大学生約450人に行った調査によると、就職先の企業を検討する際に意見やアドバイスを一番重視したい人は「親」が24.4%で最も高かった。
さらに、入社を検討している企業について相談相手から賛同が得られなかった場合、入社を「再検討する」と回答した学生は41.3%。「親の意見を一番重視する」と答えた学生に絞ると、「再検討する」割合は52.3%と約10ポイント増加した。
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