調べると、SNSに昭和のアデリアが、多く投稿されていた。「現代の製品より、生産終了となったアデリアヴィンテージが圧倒的に人気を集めていた」。そこで、レトロ好きな女性3人のチームで、復刻の企画を進めた。
しかし、社内では、昭和世代のおじさんたちから「こんな古いデザイン、今更、売れない」と反対の声があがった。だが、杉本さんたちは諦めなかった。
トレンド調査やアンティークショップにインタビューを重ねた。その過程で、廃番となったアデリアのグラスの写真を共有し、盛り上がっているファンを見つけた。「アデリアブランドはヴィンテージの世界では有名で、大切にされていることを初めて知った」と、杉本さん。「『実は』と目的を明かすと、『アデリアをつくっている会社の人に会えた』と目を潤ませる人もいた」。復刻し、低価格で提供すればヒットの可能性があると考えた。
障害はまだあった。昭和のデザイン画(原画)が社内になく、製品もほとんど残っていなかったのだ。「年間に数千種類の柄を開発し、原画は紙だったため、置く所がないと捨てられていた」。デザインを再現するためには、現物から柄をもう一度描き起こす必要があった。「グラスを探し、手に入れる苦労からスタートした」。
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