記憶にあるだろうか。昭和のあの頃、家庭にあった花や動物をモチーフにしたプリント柄のグラス。それを復刻した「アデリアレトロ」シリーズ(石塚硝子/愛知県岩倉市)が大ヒットしている。
意外にも、その人気を支えているのは、「20代から30代の女性だ」(ハウスウェアカンパニー市販部企画グループ、杉本光さん)。
元となった「アデリア」は、同社が、1961(昭和36)年に立ち上げた食器ブランド。手ごろな価格と親しみやすいデザインから、家庭や喫茶店の定番となった。だが、昭和の終わりとともに、花や動物をモチーフにしたポップな柄は廃番となっていた。
復活のきっかけは、2018年春から始まったコアルート開拓プロジェクト。ニッチでも確実な市場を開発していこうという狙いだ。背景に、100均商品の台頭などで、食器市場が低価格と高額商品の二極化したことにある。「大量生産の商品を作っているわが社は、付加価値をつけ差別化しなければ生き残れない」という危機感があると、杉本さんは説明する。
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