一方、「降板」となった脚本家側は23年末に自身のSNSで「過去に経験したことのない事態で困惑」「苦い経験」と不満を述べて、「どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように」と発信していた。
ドラマ制作サイドと原作者の主張が真っ向から食い違うと注目を集める中で、芦原さんは「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とこれまでの投稿を削除、そして帰らぬ人となった。
このような悲劇こそ「二度と繰り返されませんように」と強く願う一方で、筆者は芦原さんが必死の思いで訴えたことについてはこのままフタをするべきではないと考えている。なぜこんな行き違いが起きたのかと日本テレビは第三者調査を実施、その結果を踏まえて、テレビドラマ業界、漫画原作者、そして代理人を務める出版社が知恵を出しあって、漫画の実写化で二度とこのような問題が起きないようにすべきだ、と強く思う。
テレビ局からすれば「自分たちは悪くない」で突っぱねたいだろうが、これは長い目で見れば日本のテレビドラマを守ることになる選択なのだ。
芦原さんの訴えを「臭いものにフタ」という対応をしている限り、多くの人気漫画家が「実写化するなら原作者へリスペクトのない日本よりも海外の方が安心」としてNetflixやアマゾンのPrime Video、中国や韓国の配信事業者と組む流れが今以上に加速してしまうからだ。
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