通勤ラッシュ時でも「遅れにくい」路線は? よく遅れる路線の特徴関東の私鉄沿線格差(2/2 ページ)

» 2024年02月07日 08時15分 公開
[小林拓矢ITmedia]
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関東の私鉄沿線格差』(小林拓矢/河出書房新社)

 重要な路線で遅れが少ないのは、京王電鉄の京王線や、東武鉄道の伊勢崎線や東上線である。伊勢崎線は複々線が効果を発揮しているとわかる。「朝ラッシュ時にノロノロ運転が多い京王が、なぜ6.5日?」と思う人も多いかもしれないが、これは本数を増やすために列車の速度を落として、かたちだけは定時運行をしているように見せているのである。もちろん、追突などしないよう「京王ATC」と呼ばれる優れたATCを採用している。また、京急や相鉄も遅れは少ない。

 このように見ていくと、比較的本数が少なく、編成も短い路線のほうが、遅れは少ないといえる。京王の井の頭線や、東急の大井町線、池上線、多摩川線といった路線は、都心に近いところを走っている路線であり、大井町線を除いて、他路線への乗り入れがない。東京都内の職場に通う人は、このあたりの路線に住むことを検討してはいかがだろう。ただ、家賃などがかかりそうな住居が多い路線ではある。

 「沿線格差」という視点から目立つ東急や小田急の主要路線は、利用者も多く、それだけ遅延も多い。

 定刻通りに走らない傾向のある路線の沿線に暮らす人は、職場に遅刻しないように家を出る時間を早めたほうがいいかもしれない。

(出典:ゲッティイメージズ)

この記事は、『関東の私鉄沿線格差』(小林拓矢/河出書房新社)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


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