「KDDI+ローソン」は最適解なのか(1/2 ページ)

» 2024年02月15日 08時01分 公開
[ZAKZAK]
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 2月6日、KDDIがローソンにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。KDDIは大手通信キャリアとして、ローソンはコンビニ大手として多くの国民から認知されているため、このニュースが何を意味しているのかを教えて欲しいと聞かれる機会が多かった。

 まず勘違いをしてはいけないのは、KDDIがローソンを完全子会社化するわけではない、ということだ。ローソンの親会社であり、既に50%の株式を保有する三菱商事が保有していない残りの50%をKDDIが買い集めることで、ローソンを両社の持ち分法適用会社として共同経営することを意味している。

 ここ数年、コンビニ業界全体の販売額や店舗数をみてみると、明確に頭打ちをしていることが分かる。今後も人口減少は避けられないわが国において、小売業態は国内市場の縮小を覚悟せざるを得ない。これは通信キャリアも同様だ。既に多くの国民がスマホを手にしている以上、契約台数を大幅に増やすことは難しい。コンビニ業界も通信キャリアも事実上は大手3社による競争が繰り広げられるなかで、各社が水面下で協業相手を探していたことは容易に想像ができる。

 今回のTOBを経て、ローソンが抱える顧客データと、KDDIが抱える「au経済圏」の顧客データが統合されると、国内でも最大級となる消費関連のビッグデータが誕生することになる。このデータに基づいてauユーザーに最適なクーポンを配布し、ローソンへの来店頻度を高め、「au PAY」で決済をしてもらい、購入額に応じて「Pontaポイント」を付与し、また再度来店してもらうインセンティブを付与する。

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