一方、当座のお金に困っている人のセーフティーネットとしての質屋の役割も健在だ。同店では1日約20〜30人の質・買い取り来店があるが、6〜7割が質利用。期限は3カ月基準で、10万円未満の借入なら月額5%の質料(金利と保管手数料)がかかり、利率は借入金が高くなるほど下がる。「金額面では買い取りが得ですが、お客さまにとって残しておきたい品なのかが判断の大きな材料。気持ちに寄り添いたい」
期限内に返金できず質流れになるケースは10年前の16〜17%から昨年は10%に減った。中国やフィリピンなど外国籍の利用者も2割。財布を落として身に着けていたジュエリーでお金を貸してと駆け込む人や、少額を頻繁に借りに来てスタッフとの会話を楽しんでいく高齢者など、客に対応する懐の深さが面白い。
時代劇や昭和のドラマなどにも登場する質屋は、鎌倉時代の発祥とされる。歴史的な商いが、現代のトレンドと暮らしを映しながら、進化を続けていた。(重松明子)
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