お買い取り金額は28万円。質の場合は? 相場上昇で「質屋」に注目(1/3 ページ)

» 2024年02月25日 08時01分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 金相場の高騰や人気ブランドの品薄感から、中古の貴金属・ブランド品の相場が上昇。家庭に眠る“お宝”を買い取る専門店が増えているが、今回は質屋さんに注目してみたい。昭和29年、横浜市の住宅地に創業したカドヤ質店、現「ロデオドライブ」はJR関内駅前に旗艦店を構え、市内と東京都心部、香港に9店舗を展開。質草を預かりお金を貸す基幹業務に加えて買い取り・小売りを強化し、表通りにガラス張りの店構えは質屋のイメージを一新させている。手持ちの品を持ち込んで、現代の質屋を取材してみた。

photo 2階の高級腕時計売り場。表通りに面した贅沢な空間は、質屋のイメージを一新させている(重松明子撮影)

 「お買い取り金額は28万円。質の場合は23万円までお貸しできます」

 13年前に購入した18金ネックレスの買い取り価格は購入時よりも数万円高い額が提示された。カウンターの向こうから「良いお買い物をされましたね」。理由は「人気ブランドの定番商品」だからだそう。仏ヴァンクリーフ&アーペルのヴィンテージアルハンブラという品だ。分かりやすいバッグや財布なら、ルイ・ヴィトンのモノグラム柄やシャネルのココマーク付きが安定の高評価。逆にロゴが外から見えない渋いデザインだとあまり値が付かない場合も。結構シビアである。

 「次に売ることが前提ですので、今人気で需要が高い品ほど査定額は高くなります」とロデオドライブ横浜関内店で質・買い取りを統括する、金子晶悟店長。

 実体経済への先行き不安感が依然として続く今の日本とは違って、昭和の末から平成前期にはボーナスで宝飾品やブランド品を買うサラリーマンやOL(当時)が普通にいた。「断捨離などで眠っていた品が出てきた場合、一度持ち込んでいただければ査定します」。中古価格相場は店のホームページからでも型番で調べられる。保証書、箱、腕時計のバンドの予備部品など全てそろっていることで当然評価額は高くなる。

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