ラクすぎビジネスシューズはなぜ開発されたのか。
現在、「ビジカジ」(カジュアルなビジネスウェア)が普及しつつある。ドンキでも、「見た目はシャキ!」だが着心地は「ゆるッとラクラク!」をうたう「ゆるシャキジャケット」の販売が好調だった。ジャケットと同様のコンセプトのビジネスシューズが支持される可能性があった。
また、普段はラフな格好で働いているが、大事な商談などのために、多くの男性が革靴を持っている。月足氏が既存の革靴に対する不満を調べたところ「痛い」「硬い」「擦(す)れる」「重たい」といった声が目立った。ビジネスシューズを持ってはいるが、こうした不満があるため普段は活用していないケースが多いことが考えられた。
月足氏はドンキのブランド品コーナーを担当していたこともあり、もともと革靴が好きだった。「普段はTシャツを着て、スニーカーを履いているような人にも、気軽に革靴を履いてもらいたい」と考えたのもきっかけの一つだ。
こうした背景もあり、本格的なビジネスシューズを敬遠してそうな20〜30代前半のユーザー向けに開発した商品だった。しかし、販売してみると40代が最も購入しており、次に多いのが30代と50代という結果に。30代以降の男性は「革靴をしっかり履こう」という意識が強いと考えていたが、その逆の結果となった。月足氏は「革靴のわずらわしさを取り去りたいと考えている人が実は多かったのではないか」と分析している。
消費者の反響はどうか。ドンキには「履きやすいが蒸れやすい」「試し履きしたが、滑りやすそうなので断念した」といった声が寄せられている。今後は、通気性をよくしたり、本革を使った高価格帯の商品の開発などを考えているという。
月足氏は同商品について「革靴が嫌いな人にぜひ履いてほしい」と考えている。大ヒットとなったラクすぎビジネスシューズはさらなる支持を得られるか。
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