なぜ、ファミマはパンを強化しようとしているのか。
同社が約7000人のユーザーを対象に実施した調査によると、ファミマへの来店目的となる商品・サービスカテゴリの1位は「おむすび」(回答率36%)で、2位「パン」(同35%)、3位「デザート」(同29%)と続く。商品本部長の島田奈奈氏は、24年度のパン戦略として「“驚き”と“感動”のさらなる話題づくりをしていく」と強調する。おむすびと並ぶパンで、個性ある商品を打ち出すことで来店を促していく狙いがある。
ファミマの23年度におけるパン日商(1店舗1日当たりの売り上げ)は、過去10年間で最も好調だという。その原動力となったのは、23年2月に発売して以降、累計販売数1億2000万食を突破した「生コッペパン」シリーズだ。
生コッペパンがヒットした理由について同社は、消費者が従来のコッペパンに対して抱いていたイメージを大きく変えたことにあると分析している。従来のイメージは「パサついてガサガサした舌ざわり」「具がない部分がパサパサしておいしくない」「口の中の水分を奪っていくイメージ」「給食で食べたコッペパンは生地が少しボソボソした感じ」といったものだった。
そこで、同社は新製法を開発することで、味を向上させるだけでなく、しっとりもちっとした食感を実現した。生コッペパンを発表した際に「懐かしいのに新しい、しっとリッチ食感!」と打ち出したのにはこうした背景がある。
定番商品だったコッペパンを人気商品に生まれ変わらせたと自負するファミマ。今回の生しっとりパンの投入で、さらなる支持を得られるか。
ファミマ、累計1億2000万食超え「生コッペパン」から新商品 しっとり×3種類の食感にこだわり
ファミマの「生コッペパン」1000万食突破 ヒットの要因は“古臭さ”払拭にありCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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