最初は炭火の力だと考え、炭火でパンを焼き、さまざまな焼き方を試した。だが、違う。「社内の実験が数日経過した頃、『あの日は、雨だった』と気が付き、火力、焼き方に加え、水分を加えることにした」。「適度な水分」「炭火のような焼き加減」。この2つの課題をクリアするために、5000枚ものトーストを焼いた。一つ一つ写真を撮り、データを記録した。
その結果、たどり着いた調理法が、最初にトースターに5ccの水を入れるという、これまでにない発想だった。コンピューターで1秒ごとに温度を制御し、まるで炭火で焼いたような火加減を電気の力で実現。外はカリっと、中はもっちりふわふわで香ばしい「あの日のトースト」が焼ける、理想のトースターが完成した。およそ1年、かかった。
当時、市場は数千円代の製品が中心だった。そこへ2万円を超えるザ・トースターの“新しさ”を消費者に伝えるにはどうしたらいいのか?
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