「バルミューダ ザ・トースター」200万台超えのヒット “新しさ”をどう伝えたのか(3/3 ページ)

» 2024年02月28日 08時04分 公開
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 「パンフレットの表紙を主役であるトースターではなく、美味しそうなパンの写真にした。ウェブサイトも“美味しいイメージ”を打ち出すため、ザ・トースターで焼けるさまざまなパンの調理例を並べ、熱量のあるものにした」

その反応は、「『性能がいい』ではなく、『あれを使うと、おいしい!』と、口コミが広がった」と、秦泉寺さん。ザ・トースターの成功から、同社は「私たちは、モノを売るのではなく体験を売っている」という大きなものを得たという。これを“体験価値”と呼び、以後、同社の製品の開発コンセプトになる。

 「嬉しいと感じるその瞬間がユーザーにベネフィットを届ける瞬間。その後でも前でもなく、その“瞬間”の質が高ければ高いほど、価値あるものになる」。同社の製品は、体験の瞬間に向かってつくりこんだその結果なのだ。

 ザ・トースターは、15年の発売から8年、23年末段階で200万台を超える大ヒット。22年には、「バルミューダ ザ・トースター プロ」を発売。食材の表面に高温で焼き目や焦げ目を付け、香ばしさを表現することができるプロ仕様のサラマンダー機能を搭載。さらに“つくる”体験を提案している。 (村上信夫)

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