垂直統合で成功したのは? トヨタとAmazonの事例を見るビジネスモデルが分かる(2/4 ページ)

» 2024年03月11日 08時00分 公開

【事例1:トヨタ自動車】

 トヨタ自動車548社もの連結子会社を持つトヨタ自動車は、自動車の研究開発から販売店までを垂直統合することで、世界的な競争力を保持してきました。本社が自動車のモデル開発を行い、専門子会社が部品製造や車体組立を行い、車種ごとの系列販売店が消費者に製品を届けるモデルによって、生産・物流の取引コストを削減し、高品質・低価格による製品提供を可能にしています。

(ゲッティイメージズ)

 世界の製造業が手本とする「トヨタ生産方式」は、垂直統合モデルによる製造フローから生まれた生産管理手法です。在庫のムダや運搬のムダといった、製品付加価値を高めない「7つのムダ」の排除や、各製造工程が連携することで過剰在庫問題を解消する「ジャストインタイム生産方式」(必要な数の部品だけを生産する方式)の導入は、トヨタグループの業績に大きく貢献しました。

 2010年代に入り、トヨタは新たに自社のビジネスモデルを「モビリティサービス」と定義し直しました。従来の自動車製造のみではなく、運転データの収集・活用や、サブスクリプションサービスで好みの車種に乗り換えられるサービスなどを新たに事業化し、サービス部分の統合を図ろうとしています。

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