垂直統合で成功したのは? トヨタとAmazonの事例を見るビジネスモデルが分かる(3/4 ページ)

» 2024年03月11日 08時00分 公開

【事例2】Amazon

 サービスに特化した垂直統合を行って収益規模を拡大した好事例がAmazonです。幡鎌博氏はAmazonの事業を「クラウド」「小売プラットフォーム」「フルフィルメント(倉庫内の保管と受注・配送業務)」からなる垂直統合と定義し、Amazonはこの3つのサービスを統合したことによって強い競争優位性を保持しているとしています。

(ゲッティイメージズ)

 なお、この垂直統合されたクラウド、プラットフォーム、フルフィルメントは、外部からの収益源でもあります。クラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)や倉庫・物流は外部にオープン化されており、AWSはNetflixなど、多くの外部プラットフォーム企業が利用していますし、倉庫・物流は他の EC サービスが商品保管や配送のために利用しています。

 デジタル化以降は、このような形で、垂直統合された自社資源を外部にオープン化することによって、本業以外での収益源の確保が可能となりました。

【Memo】

 トヨタのモビリティサービス構想も、自社の垂直統合資源の効果的な活用だけではなく、外部とのオープン化戦略やアライアンス戦略(提携戦略)であると見ることもできます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.