人材不足の深刻化で、企業が求めるスキルを持つ人材の獲得はますます困難になっている。既存の社員に必要なスキルを獲得してもらうリスキリングの機会を提供し、育成に注力することは、企業にとって不可欠となりつつある。
こうした中「リスキリングの機会を求めて転職した」という人は3割に上ったことが、オンライン採用試験システムを運営するサイトエンジン(東京都世田谷区)の調査で分かった。企業によるリスキリング機会の有無は、働き手の意欲にどう影響するのか。
転職活動をした理由について、最も多い回答は「給与や待遇の改善のため」で46.3%に上った。次に「キャリアアップのため」(34.8%)と続いた。また「リスキリングの機会を求めて」とした人は29.3%となり、4番目に多かった。
年代別で見ると、20代では「リスキリングの機会を求めて」(29.6%)や「スキルや専門性の向上のため」(28.4%)とする人がそれぞれ3割に上り、スキル向上への意欲が主な転職理由となっていることが分かった。
現在の職場にリスキリングやスキルアップの機会があれば、働き続けたいという意欲は「高まる」と回答した人は、20代では92.5%、30代では93.7%となった。一方で、40代では79%、50代では66.6%と、年代が上がるにつれて減る傾向が見られた。
転職先候補の企業でリスキリングやスキルアップの機会が提供されている場合、入社の意思決定に「影響を与える」とした人は、20代では90.2%、30代では87.5%、40代では84.3%、50代では75%という結果に。特に若い世代において、リスキリングやスキルアップの機会は転職における重要な要素であることが分かった。
職場で提供されているスキルアップやリスキリングの機会として最も多いのは「社員の資格取得などを支援」で42.7%に上った。次に「従業員の勉強会」(37.9%)、「Eラーニングの実施」(34.7%)と続いた。一方で「分からない」という回答も1割程度見られた。同社は「スキルアップの機会を提供していない、あるいは提供していても社員に認知されていない場合もあると考えられる」と推察している。
調査は1月29〜30日にインターネットで実施。2022年1月以降に転職活動をした20〜50代の正社員の男女328人から回答を得た。
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