寿司ロボットを対象とした正確な市場統計はないものの、オーディオテクニカ調べによると同社のシェアは世界2位だという。もちろんレコードプレーヤーのカートリッジを製造する機械の技術は多少転用しているが、それ以外に祖業と特にシナジーがなく、かつ特異な領域でこうしたシェアを確保できているのは驚きだ。
市場から評価を受けている要因について、斎藤氏は「部品点数の少なさと小さいサイズ、さらにデザイン性などがポイントではないでしょうか」と分析する。特に売り上げを伸ばしている海外では、バックヤードへの導入が多い日本と比較してオープンキッチンの店舗が多い。かさばらず、かつデザイン性も悪くないことが強みになっているようだ。
オーディオテクニカは40年かけて寿司ロボットを育ててきたが、22年に祖業とは縁遠く感じるアウトドアブランドを発表している。「常に一流であれ、というのが社長の方針」(斎藤氏)である同社が、今度はアウトドアでどのようにブランドを育てていくのか、目が離せない。
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