書店運営会社の市場退出が止まらない。東京商工リサーチが調査結果を発表し、2014年以降、倒産・休廃業・解散の件数が法人の新設数を上回り続けており、10年間で764社が市場から退出したことが分かった。
書店運営会社の倒産(負債1000万円以上)は、14〜23年の10年間で140社におよび、ピークは16年の25社。16年は、3月に出版取次の太洋社が破産を申請し、連鎖する形で同月30日までに18社の書店運営会社が倒産・廃業に追い込まれた。
その後、コロナ禍による資金繰り支援や巣ごもり需要を背景に、倒産は減少。21年・22年の倒産は各5社だったが、支援の縮小や特需が落ち着いた23年は前年比で2.6倍となる13社に急増した。
休廃業・解散では、太洋社が破産した16年に63社(前年比28.5%増)と急増。その後も高水準が続いた。コロナ禍では倒産と同様に休廃業・解散も減少したが、60社前後で高止まり状態にある。
倒産と休廃業・解散の合計は、19年の101社をピークにコロナ禍で減少したが、23年は67社に微増した。書店の新設法人数を上回る状態が14年から続いており、直近で統計を取った22年は21社の純減となった。
東京商工リサーチは「電子書籍が浸透し、書店の存在が揺らいでいる。書店の復活には客足を向かせる創意工夫への転換と同時に、国や出版社の継続的な支援が必要だ」とコメント。経済産業省は3月5日に「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げて支援意向を示したが、「街の書店」の今後が危ぶまれている。
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