インクやペン先を見直すなど、さまざまな試行錯誤を繰り返した結果、行き着いたのがペンの上部にスプリングを加えた「うるふわクッション」構造だった。同社の折れないシャープペン「デルガード」の機構をヒントにしたものだ。
ペンの上部にスプリングを設置。筆圧に応じて中芯が上下するようになったことで、筆記時のガリガリ感を軽減させた。ペン先の紙への引っかかりが減り、インクが安定して出るようになったという。「スプリングの最適な強さを見つけるまでに苦労したが、何度も試験を重ねることで、商品化を実現した」
さらに筆記を安定させるため、先端部分には金属を採用。金属の重さとスプリングの強さのバランスも試作を繰り返すことで、極細ペンでもさらさらとした書き心地を生み出している。
そのほか「小さい文字を書く」ことを想定し、他の「サラサ」シリーズよりもペン先を長く出すといった工夫も施している。
「サラサナノ専用の中芯を発売することも検討したが、サラサナノはサラサシリーズの極細ボール径を利用していて、細い字を書きたい人の課題を解決するといったコンセプトがある。ということもあって中芯のバリエーションを増やさず、サラサクリップと同じ中芯を使用して『構造を見直す』という手法を取ることにした」
開発過程では実際に手帳で極細ボールペンを使用している人に何パターンかの試作品を使ってもらい、検証を繰り返していったという。
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