SNSでバズった「なまけものカフェ」の経営戦略 メニューは冷凍食品だけなのに、なぜ?(1/3 ページ)

» 2024年03月18日 01時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 メニューが冷凍食品のみの「チンしてごちそう♪なまけものカフェ」(大阪市都島区)が、交流サイト(SNS)で話題を集めている。新型コロナウイルス禍を踏まえ、およそ1年前に始めた冷凍食品の無人店舗がわずか数カ月で行き詰まった経験を生かして反転攻勢。子供向けのおまけを付けるなど「親子で楽しめる」という異色の新業態が受け入れられ、客足が伸びている。

photo 古民家を改修した冷凍食品専門の「チンしてごちそう♪なまけものカフェ」=大阪市都島区(格清政典撮影)

本業とコラボで

 大阪メトロ都島駅から南へ約3分歩くと、築50年以上とされる2階建ての古民家を改修した店舗がある。

 昨年11月に同カフェをオープンした際、動画配信サイト「TikTok(ティックトック)」に「お子様メニューのおもちゃのクオリティーが高すぎるww」とのタイトルでアップしたところ、瞬く間に再生回数は16万を超えて拡散した。

 同店のメニューは、オムライスやピザなどの冷凍食品約20種。客からの注文を受けて、スタッフは店内に設置されている電子レンジで温めて提供するだけ。運営する「ISOYU」(同区)の磯遊(いそゆう)晋介社長(39)は「キッズメニューは580円ですが、おまけのおもちゃが本来千円以上で販売しているものばかり」と得意げに話す。

 こうした魅力が出せる背景にあるのは本業だ。同社はもともと家電やゲーム、日用品などの卸売りを手がけており、関西を中心に「半額倉庫」を約20店舗を展開。飲食業と組み合わせたことが奏功した。

       1|2|3 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.