累計販売5万台超え、ニトリ「ゲーミング座椅子」が好調 コロナ禍生まれのアイデアはどう進化した?(2/2 ページ)

» 2024年03月22日 08時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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好評を受けて、ラインアップを拡充

 ゲーミング座椅子の好評を受けて、同社はラインアップの拡充を図り、23年11月に「回転ゲーミング椅子」を発売した。同商品は、椅子での生活が多い消費者をターゲットに設定。「ゲーミング座椅子のような、1台でPC作業とゲームに対応する一石二鳥の家具を提案したいと思い付きました」(同社担当者)

nitori 回転ゲーミング椅子

 回転ゲーミング椅子のサイズは、53(幅)×82(高さ)×69(奥行)センチ。背もたれのリクライニング角度を約90度に曲げれば、テーブルとして使用できる。ゲーミング座椅子と同じく、テーブルは14段のリクライニング機能を搭載した。また、逆向きに座ればPC作業やゲームなども可能だとしている。

nitori 背もたれを曲げれば、テーブルとして使用可能

 約1年の開発期間の中で、最も苦労したのは、安定性の確保だという。テーブルが付いていることにより、重心に偏りがでるため、スムーズに回転盤が回らないという課題があった。何度もサンプルをつくり安定性・耐久性の確認を行い、偏りやガタつきがなく、安定した回転盤を仕上げた。

nitori 開発時に苦労したのは安定性の確保

 24年1月には「ゲーミング座椅子ワイド レバータイプ」を発売。同商品は、従来のゲーミング座椅子より座面幅・奥行きが9センチ広くなっている。ゲーミング座椅子を利用しているユーザーや社員から「テーブルの付け根があるため座れる面積が限られ、体格が大きい人は座るのに窮屈感がある」「背もたれが低いと、きちんと体がサポートされない」といった声が寄せられたため、開発したという。

nitori ゲーミング座椅子ワイド レバータイプ

 開発時には、2つの調整を行った。1つめは、座面の面積を広げることによって、テーブルの高さとの整合性。2つめは、背もたれの高さを伸ばすことによって、折りたたんで梱包するためのサイズ感の整合性。いずれも、サイズを大きくしたことによる転倒防止リスクへを低減する狙いがある。

nitori 転倒防止リスクを低減するため調整

 また、ギアの変更方法も見直した。従来のゲーミング座椅子で採用した「背もたれを後ろまで倒してから調節する」という方法から、「本体の横についているレバーでリクライニング」する方法へ変更し、操作の簡略化を図った。

nitori ギア操作も簡単にした

 多くの人から支持されている要因について、同社担当者は「シンプルで使いやすいこと」「ゲームをする人にはもちろん、しない人にも台付き座椅子として使用可能であること」を挙げる。今後の展開について、テーブルの面を木目にしたタイプや、キッズ向けのゲーミング座椅子シリーズを検討中だという。

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