JJを楽しんでいるのはどんな人たちなのか。サントリーが調べたところ、飲用者に占める割合は20代が39%、30代が38%という結果に。圧倒的に若者に支持されていることが分かった。
なぜ、特に沖縄と近畿エリアで流行しているのか。これもはっきりとしたことは分かっていないが、沖縄ではさんぴん茶が日常的に飲まれているので、ジャスミン風味の酒が受け入れられやすかったのではないかと考えられる。
大阪では、独自のソース文化や味の濃い料理とJJの相性が良いことも背景にあるようだ。例えば、大手チェーンの「串カツ田中」では、22年6月から茉莉花を使用した新ドリンクの販売を開始している。ジャスミン焼酎とジャスミン茶の組み合わせを「J.J」、ジャスミン焼酎と緑茶の組み合わせを「J.R」、ジャスミン焼酎と炭酸(ボール)を「J.B」といったように遊び心のある名前となっている。また、近年店舗数を増やしている寿司居酒屋の「杉玉」でも同様のメニューを提供している。
飲食店で一度味わった人が、近所のスーパーなどで茉莉花を購入し、自宅でJJをつくって楽しむシーンも増えてきた。
永尾氏は「酒類業界全体の傾向として、ある風味が特徴のお酒を、同じ風味のドリンクで割るという発想はなかなか出てこないと思います。例えば、カクテルだと、オレンジリキュールをオレンジジュースで割るというのはあまり聞きません」と説明する。JJというキャッチーな名前はもちろんのこと、その中身も革新的な存在だという認識だ。
こうした背景を踏まえ、JJは若者の間で一時的なブームとして消費されるのではなく、幅広い年齢層に受け入れられる可能性があった。また、飲用シーンの広がりにも期待が持てたため、サントリーは茉莉花の販売にチカラを入れることにした。
まず、飲食店の大容量需要に対応するため、1.8リットルの紙パックを23年10月に発売した。さらに、店頭で手軽に購入してもらえるように、既存の660ミリリットル瓶を販売終了とし、代わりに500ミリリットル瓶を投入した。
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