Q: 現在27歳で、SIer企業にてエンジニアとして勤めています。現職ではCOBOLを活用したプロジェクトなどレガシーな環境が多く将来が不安です。このままで大丈夫でしょうか?
A: 企業側から重宝されるケースもあります。
技術面の老朽化やシステムの肥大化・複雑化、レガシーシステムのブラックボックス化に伴い、「DXに向けた攻めのIT投資ができない」「毎年最大12兆円もの経済損失が生じる」といった、いわゆる「2025年の崖」が社会問題になっています。こうした中、レガシーなシステムのマイグレーションやモダナイゼーションの需要がここ数年で高まっています。
COBOLエンジニアの需要が数年でなくなることは考えづらいですが、COBOLのみの経験の場合、将来性は少しずつ薄れていく可能性があります。実際の採用市場においても、オープン系言語やWeb系言語などの開発経験がある方の需要が比較的高い傾向にあり、持っている経験がCOBOLでの開発のみ場合、転職活動で苦戦するケースもあります。
ただし、COBOLからのマイグレーションを図っており、現状のCOBOLのシステムを読み解くことができる人を求めている企業からは重宝される場合もあります。また、COBOL経験者の方は、特定業界における開発経験が豊富なケースが多く、上流工程や業界知見を生かしてコンサルティング企業や事業会社側に転職するケースもあります。
こうした状況を踏まえ、COBOL経験者が将来を見据えた取り組みを行う場合は(1)オープン系やWeb系の技術を学ぶ、(2)業界の知見や上流工程に関する知見を高める――といった方向性が考えられます。
現職で上記のような経験が積める場合は、まず現職で経験を積んでおくとよいでしょう。難しい場合は、副業や兼業、転職も視野に入れることをオススメします。転職を検討する際は、COBOL以外の知見を積極的に学ぶ姿勢を見せるためにも、例えばオープン系やWeb系の技術について学んでおく、クラウド系の資格を取得する、といった行動をとっておくと、より次のキャリアの可能性が広がるでしょう。
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