洋服サブスク「エアクロ」が、大きな物流拠点を構えた理由会員は100万人(4/5 ページ)

» 2024年03月30日 05時30分 公開
[小林香織ITmedia]

支持されている要因

 15年2月にローンチしたエアークローゼットは、会員数が100万人を超え、有料会員数は約3万5000人に拡大している(24年3月時点)。有料会員の属性は30〜40代が中心で、働く人が94%、子どもを持つ人が約56%となる。

 筆者は、同サービスを3カ月利用したことがある。オンライン上で好みのコーディネートを選んだり、細かく要望を伝えたり、届いた洋服への満足度や感想を入力したりすることで、パーソナルスタイリングが行われる。利用者の多くはこの仕組みに、満足感を覚えているのかもしれない。

毎回、違った洋服が届く

 「情報化社会でモノがあふれている中で、新しい洋服を探すのが困難な方でも、時間を有効活用して新しい洋服に出会えたり、おしゃれを楽しめたりする点が支持されていると思います。また、洋服を廃棄することがなくなり、ムダな消費をしたくない方にとってもフィットしているだろうと」

 利用期間が6カ月を超える利用者の月次継続率は94%を超えていて、一度気に入ると使い続ける傾向がある。逆に、1〜2カ月の短期間でサービスの魅力を伝え、利用者の消費行動を変えるのは難しいのかもしれない。

「ディズニーファッションクローゼット」が始まった

 エアークローゼット社では、20年4月に商品を自宅で試してから購入できる月額制レンタルモール「airCloset Mall(エアクロモール)」を、23年10月にディズニーアイテムのファッションレンタル「Disney FASHION CLOSET(ディズニーファッションクローゼット)」を、それぞれリリースしている。

 「エアクロモールは、美容家電やマットレスなど店頭では試しづらい製品を気軽に試せるサービスです。ファッション以外の物流基盤の経験値を増やし、顧客層を男性にも広げたい狙いがあります。ディズニーファッションクローゼットは都度課金型レンタルで、20代前半を中心とした若年層に、よりライトなレンタル体験を届けたいと考えました」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.