ソニー「PlayStation」と「Zoom」の収益構造を見る、違いは?ビジネスフレームワークの教科書(3/4 ページ)

» 2024年03月31日 07時17分 公開
ビジネスフレームワークの教科書 アイデア創出・市場分析・企画提案・改善の手法 55』( 安岡寛道、富樫佳織、伊藤智久、小片隆久/SBクリエイティブ)

 顧客はPlayStation Plusに加入すると、従来のゲームソフトに加えて、ゲーム内で世界中のプレイヤーとオンライン対戦できる機能「オンラインマルチプレイ」や、オンラインで提供されるタイトルで遊べるようになります(1)。

 「課金の対象」には、オンラインゲームの利用が加わります(2)。また、新サービスの「価格付け」は、ゲームタイトルの利用や機能利用を包括したオンラインサービスの利用料になります(3)。「売り上げ獲得の時間軸」は1カ月、3カ月、12カ月の3つの単位での定額課金です(4)。

 コスト構造も変わります。オンラインサービスを提供するための「固定費」としてサーバー管理費が追加され(5)、「変動費」には、過去のゲームタイトルを提供する際にタイトル制作者へ支払う著作物利用費が見込まれます(6)。

 PlayStation Plusの事例のように、新技術による市場破壊や、顧客の行動変化に際して、自社の収益モデルは常に言語化や整理を行って見直すことが重要です。

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