カラオケ、洗濯、セルフフォト…… 無人ジム「チョコザップ」が続々と新サービス コンビニみたいな進化を遂げている背景長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/3 ページ)

» 2024年04月03日 10時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 チョコザップは1周年を迎えた際に、運動のみならず「美容」「ライフスタイル」「エンターテインメント」などさまざまな要素を取り込み、従来以上に便利で身近な「コンビニジム」へとコンセプトを進化させた。

 ネイルプリンターで多種多様なデザインを楽しめる「セルフネイル」が代表例だ。その他、ホワイトニング専用溶液を使用して歯の表面の汚れを落とす「セルフホワイトニング」や医療用で全身をマッサージしてくれる「マッサージチェア」。スマホを見たり、PC作業をしたりしながらトレーニングできる「デスクバイク」、簡単な予約で使える「ワークスペース」、ドリンクサーバーでコーヒーやプロテインドリンクなどを楽しめる「ちょこカフェ」の6サービスを、新たに発表した。

 いずれも家ではなかなかできないことをサービス化しており、もはや運動をしに行かなくても「マッサージチェアを使ってリラックスしたいからチョコザップに行く」といった接点を創出した。フィットネスジムのハードルを下げて「運動習慣のきっかけをつくる」という、思い切った試みである。今回新たに発表した7種のサービスは、その路線を強化したものである。

7種の新サービス、どんな内容なのか

 さて、7種の新しいサービスについて詳しく見ていこう。

 カラオケは、アプリから事前に予約が必要で、1枠25分、最大4人まで利用できる。カラオケには認知症を予防する効果があるともいわれており、健康寿命を伸ばしたい自治体から好評なサービスという。

1枠25分、4人まで利用できるカラオケ(同前)

 洗濯・乾燥機もアプリで事前予約が必要だ。トレーニングや買い物の間に、洗剤を用意せず洗濯・乾燥をできるので「タイパ」も抜群といえる。近年はモノをなるべく所有しないミニマリストとして暮らす人が増えており、そうしたライフスタイルの人が利用することも、念頭に置いた。

運動している間に洗濯・乾燥ができる(同前)

 ピラティスもアプリから事前予約が必要であり、カラオケ同様に1枠25分で、本格的なピラティスマシンを気楽に利用できる。アプリで動画を見て、正しい動かし方を学べる。同社調べによると、一般的なマシンティラピスの月会費は1万〜2万円とのことで、チョコザップの会費を考えるとかなりコスパが良い。

一般的な価格帯を考えると、破格といえるピラティスのサービス(同前)

 同じくアプリから事前予約が必要なセルフフォトは、1枠15分。ちょっとした記念日の撮影だけでなく、定期的に自分の体の変化を記録しておきたいといったニーズもあるだろう。撮影したデータはスマホなどに保存できる。

セルフフォトは15分の枠内で利用できる(同前)

 キッズパークもアプリから事前に予約すると利用でき、1枠25分。対象年齢は、満4歳以上、10歳未満としている。子どもを遊ばせながら同じ空間で運動ができ、タイパが良いサービスだ。

子どもを連れてジムに行けるようになる、キッズパーク(同前)

 トレサポは、RIZAPのトレーナーがチョコザップ店舗を定期的に巡回し、マシンの使用方法やトレーニング、食事のアドバイスなどをしてくれる。6月時点で、100人体制を予定している。

RAIZAPのトレーナーがアドバイスしてくれる新サービスも(同前)

 最後が、今回の新サービスの目玉である、chocoZAPメディカル。予防医学を身近なものにするため、チョコザップ会員であれば年に1回、提携医療機関で頭部MRIや胸部/腹部CT検査などを受けられるようにした。結果は後日、データで受け取れるため、再来院も不要だ。

「chocoZAPメディカル」では、医療機関と提携して予防医学を推し進める(同前)

 同社調べでは、MRIやCTの検査は、それぞれ2万〜4万円と高額で、これまでは体の異変を感じてから検査を受ける人も多かった。安価に提供することで、そこから一歩進んで、予防医学を推し進めようという趣旨だ。高齢化社会の中で健康寿命を延ばし医療費を抑えるためにも、もっと普及させるべきサービスだといえる。

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