パン店の倒産過去最多 一方、出店が増えたのは?(2/2 ページ)

» 2024年04月06日 09時15分 公開
[産経新聞]
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「映えるおにぎり」海外でも人気

 一方で新たなブームとなっているのが「おにぎり専門店」だ。食をテーマに調査研究を行う「ぐるなび総研」によると、令和5年のおにぎり専門店の新規出店数(予約サイト「ぐるなび」加盟店ベース)は前年比で約1.5倍に急増したと分析。特に具材をふんだんにのせた「ごちそうおにぎり」は、見た目の華やかさもあり「SNS映え」を求める若者や訪日客からも多くの支持を集め、おにぎり需要拡大の要因となったとみる。

photo 具材がぎっしり詰まったご馳走おにぎりを販売する専門店の出店が相次ぐ=東京・新宿の「おにぎりまんま」(酒巻俊介撮影)

 担当者は「おにぎり専門店は、大がかりな調理器具は不必要で、製造に高度な技術も必要ないため人材も確保しやすく、出店費用が比較的少額で済む」と指摘。「梅干しや昆布といった具材は保存性が高く、食品ロスが少ないなどメリットが多い」ことも新規出店が増えた要因と分析する。

 おにぎりは、訪日客の需要が拡大していることも受け、海外出店する店舗も増加傾向だ。コメの生産や消費の拡大に直結することから、農林水産省も輸出支援など強化しており、国内外で出店拡大の期待は高まっている。(西村利也)

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