大阪で高級ホテル戦争 1泊20万円超の客室に予約が殺到(1/2 ページ)

» 2024年04月08日 06時45分 公開
[産経新聞]
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 2025年大阪・関西万博の開幕まで約1年に迫る中、大規模改装に乗り出すホテルが相次いでいる。インバウンド(訪日客)需要で1泊20万円超の客室に予約が殺到するなど客室料金は上昇傾向にあるが、高級ホテルを中心に改装による高付加価値化でさらに高単価の富裕層に狙いを定める。外資系による新規出店を控え、既存ホテルの危機感が一層高まっていることも背景にある。

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 「ワンランク上のホテルを目指す」。今月1日にホテル名を改称し、客室や付帯施設の改装計画を発表した「リーベルホテル大阪」(大阪市此花区)の担当者はこう強調する。テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、同)との公式ホテル契約を終え、万博で期待される訪日富裕層の取り込みを図る。

 チケット販売などUSJ関連のサービスを3月で取りやめた一方、高価格帯客室専用のラウンジなどを設け、富裕層への対応を強める。一部の客室を改装し、万博会場へのシャトルバスのための乗降場も整備する。

 インバウンド需要で大阪市内の高級ホテルは外資系を中心に客室料金が軒並み上昇している。コンラッド大阪(同市北区)は1泊10万円前後で推移。インターコンチネンタルホテル大阪(同)も新型コロナウイルス禍前の2倍ほどに跳ね上がっており、「1泊20万円以上でも予約はよく入る」(担当者)という。

 新ホテルの進出も加速する。JR大阪駅北側の再開発地区(同市北区)には米ヒルトンの最高級「ウォルドーフ・アストリア」などの出店を控え、大阪城近くにもシンガポール系の「パティーナ大阪」(同市中央区)が計画される。いずれも中心の客室単価は1泊10万円超が見込まれる。

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