脱毛や痩身を目的としたエステサロンが苦境に陥っている。東京商工リサーチが2023年度の倒産状況を調査し、負債1000万円以上の倒産は22年度比で1.7倍となる95件だった。04年度以降の20年間で最多だった19年度の76件を超え、過去最悪となった。
エステサロンの倒産は、コロナ禍の資金繰り支援もあって20年度は52件、21年度が45件、22年度は56件と落ち着いていた。しかし、支援策の縮小・終了を境に増勢へと転じ、23年度は大幅に増加した。
負債額別に見ると「負債1億円未満」の倒産は83件だった。一方で「1億円以上」も前年から増加しており、中堅規模のエステサロンも苦境に直面している。
エステサロンは対面サービスが基本のため、コロナ禍の営業制限や感染リスクの回避で来店客が減少。一方、自宅で施術可能なセルフエステに注目が集まったこともあり、コロナ禍の収束後も客足の戻りが鈍い状況が続いている。
参入障壁が低く、小資本での開業も可能だが、その分競合先が多い業界でもある。低価格での施術を売りに、顧客の前払い金を事業拡大の原資にするビジネスモデルも問題視されている。東京商工リサーチは「いったん倒産や事業停止をすると、多くの一般顧客を巻き込むため、一定の規制が必要な時期を迎えている」とコメントした。
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