細部を詰めていったことで大きく変わったのは本体のサイズ。「めまもりん」のサイズはクリップを含め高さ60×幅64×奥行36(単位:mm)だが、最初は現在より一回りほど大きかった。
サイズを見直したのは、よりスタイリッシュにするため。内部構造を見直しスイッチ類も減らしたほどだった。当初は電源スイッチとブザーのON/OFFスイッチが分かれていたが、小型化の一環で両者を一体化した。
パーツで最も試行錯誤を重ねたのがクリップ。当初、使わない時は本体底面に折りたたんでピタッと収まるものを考えていた。しかし、タブレットなどのデバイスを挟む強度を担保できないことが分かり軌道修正。小型化した上で現在のように背面にやや斜めに取り付けた。
「クリップは本体と同時進行で検討していましたが、一番時間がかかったところでした。決まるまでに数カ月はかかっています」と振り返る小島さん。「内部の仕組みやプログラムは結構単純だったものの、クリップのような物理的なパーツは大変でした」と明かす。
このほかにクリップで苦心したことは、滑り止めと傷つけ防止のために設けられたシリコン製パーツの取り付けである。挟むとデバイス本体に触れるグレーの部分のことで、当初は薄いシートを貼る考えでいたが、使っていくうちに剥(は)がれる懸念が生じた。
剥がれたら滑り止めと傷つけ防止という目的が達成できなくなり、見栄えも悪くなる。剥がれたシートを子どもが誤飲する恐れもあった。
そこでデザイナーや協力会社と検討。シートを貼るのではなく、立体成型したパーツをはめ込む形にした。
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