価格を抑えるため、商品設計ではメリハリを意識した。同社が消費者に実施したアンケートや、メーカーから寄せられた情報を総合すると、消費者は特に麺とスープを重視していることが分かった。一方、具はそこまで重視していないという結果に。そこで、しょうゆラーメンの具はネギだけにしている。
特にこだわって開発したのがスープだ。おにぎりの買い合わせを想定した濃い味わいに設定。また、量がたくさんあるため、食べている途中に消費者が飽きないよう、最初に刺激的な味(食欲をそそるようなパンチのある味)が来て、コクや深みが後から感じられるようにした。
開発の背景について妹尾氏は「『安くお腹いっぱいになりたい』をお客さまが求めており、PBのラインアップにそうした商品がなかったため」と説明する。ローソンでは容器が縦長タイプのPBカップ麺を取り扱ってきたが、売り場のスペースをとる横幅の大きい容器に入った大盛り系商品はなかった。
大盛り系のカップ麺としては、エースコックの「スーパーカップ」シリーズなどが有名だ。コンビニは売り場面積が限られるので、サイズの大きい商品は販売効率が良くない。また、大盛り系のカップ麺は量販店などで安く売られているイメージが強い。そうしたことから、メーカーやローソンには「コンビニPBで、大盛りのカップ麺はヒットしにくい」という考えがあったという。
原材料の価格高騰などを受け、2022年ころから即席麺の価格改定が相次いだ際、比較的安価なローソンのPBカップ麺の売り上げが伸びた。また、市場全体を見渡すと「大盛り」をうたう商品が好調だった。こうしたことも開発の背景にある。
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