リニア大阪延伸で静岡の次の火種は? 「京都VS.奈良」古都バトル (2/2 ページ)

» 2024年05月05日 17時02分 公開
[産経新聞]
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 名古屋以西のルートは「奈良市付近」から大阪へと至る計画だが、詳細は決まっていない。駅を誘致したい京都側は、「世界中の人が訪れる京都を通らないことは大きな損失」などと「奈良ルート」に公然と異を唱えている。

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 品川−名古屋間の建設費は、難工事への対応などから当初の約5兆5千億円から約7兆円に膨らんだ。ロシアのウクライナ侵攻や円安基調の為替相場などが重なって人件費や建設資材がさらに高騰する中、関西側の足並みが大きく乱れれば、大阪開業に水を差す結果を招きかねない。

 JR東海は昨年12月、駅建設位置の決定などに必要な環境影響評価(アセスメント)に着手。三重と奈良の両県で地質の状況などを調べるためのボーリング調査を始めた。一方、京都市は平成26年度に設置した「リニア誘致推進室」を今年4月1日付けで廃止。ただ担当者は引き続き配置しており、誘致を求める姿勢は変わっていない。

 川島氏は「令和19年の大阪開業は、JR東海が圧力に屈することなく現行の『奈良ルート』を貫くかどうかにかかっている」と話している。(岡嶋大城)

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