結局のところ、そこはある程度カーボンニュートラル燃料(CNF)でカバーする以外にない。「緩さ」をどこに求めるかといえば、「軽自動車だけはCNF50%+化石燃料50%の混合燃料もあり」と決めてしまえば、シェアの40%を占める軽が除外され、BEVが30%ならば、残る完全CNF車が30%という計算になり、分散型エネルギー構想のラインが見えてくる。
金持ちはBEV、小金持ちはCNFのHEV、並みの人は混合燃料の軽自動車。CNFはどうしてもコスト高ということもある。ユーザーの可処分所得と車両価格&燃料コストの関係に一定の合理性があると思う。CNFはバッテリーと違い量産が進めば価格が下がる製品なので、十分に価格が下がれば軽も100%CNFにしていける可能性がある。
当面、軽を除外していいという論拠を求められるだろうから、提示しておく。グラフはこの連載でも何度か使った日本自動車工業会(JAMA)がIEAのデータをベースに作成したものだ。2001年から2019年の間に米国やドイツがCO2排出量を増やしている間に、日本だけが2位イギリスにダブルスコアを超えるマイナス23%という目覚ましいCO2削減を成し遂げている。
何度も書いているが、この原因はHEVの増加と軽自動車へのダウンサイジングの進行である。大きな成果を上げている方法なのだ。その上で、それぞれの経済状況やインフラ環境に応じた脱炭素貢献をそれぞれが可能な範囲でやっていくことには大きな意味があると思う。
さて、CNFといってもいろいろあるが、例えば国内で販売するものに関しては、JISの規格でガソリン相当またはディーゼル相当の燃料でなければ販売できない。JISの規格上同じ製品なので、基本的には混ぜても問題ない。配管の一部に配慮が必要だが、新車製造時のコスト差をエンジニアにこっそり聞いたところ概ね1万円程度と言っていたので、保有車のレトロフィットも含め不可能な話ではない。
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