順風満帆のキタと“素通り”危機のミナミ 新線開業で大阪の行方は?(2/4 ページ)

» 2024年05月06日 07時45分 公開
[産経新聞]
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 なにわ筋線の新駅「南海新難波」は、千日前通に面した地点の地下に開設される。同駅は南海と第三セクターが共同で開発を進めており、南海は地上部周辺の開発も視野に入れる。南海はさらに、昨年7月に難波駅南側でホテルやオフィスビルなどを備える新開発地区「なんばパークスサウス」も全面開業させた。

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 難波周辺は従来、小規模店舗が多く、土地の所有なども複雑に入り組んでおり、開発が遅れていたのが実情だ。ただ近年、訪日客が激増するなか「彼らを受け入れるインフラの重要性を地権者らが認識するようになり、大規模開発にも徐々に同意するようになっていった」(ミナミの不動産業界関係者)という。店舗が保有していた倉庫などが、ネット通販の普及で不要になったことも、再開発を後押ししていると指摘される。

 不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長は「自治体と企業が連携して地域の魅力を高める開発を目指す動きが本格化したことが、ミナミの状況を変化させつつある。今後の発展が注目される」と語っている。(黒川信雄)

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