イオン、AIが値引き率を決める「AIカカク」を拡充 新たに生鮮部門でも活用へ

» 2024年05月08日 15時47分 公開
[ITmedia]

 イオンリテールは5月7日、過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」の適用範囲を拡大すると発表した。2021年に総菜部門で、2022年には日配品の一部に適用していた。今回新たに畜産部門と水産部門にも実装する。

aeon イオンリテール、AIカカクの適用範囲を拡大(公式Webサイトより引用)

 AIカカクは、販売実績や天候・客数などの環境条件を学習したAIが“その日その時”の需要を予測。バーコードで読み取った商品情報と陳列数をもとに、適切な割引率を提示する仕組みだ。同社によると、AIカカク導入前と比較してロス率が1割以上低減しているほか、値引きや売り切り業務に関わる教育時間も低減しているという。

aeon AIカカクの利用シーン イメージ(プレスリリースより引用)

 畜産部門と水産部門での実装により、適用品目数はこれまでの約1.5倍に増加する。同社は「生鮮部門への拡大に当たり、部門ごとの販売特性や値引きによる売れ方の変化などを細かく分析。店舗特性も考慮しさまざまなチューニングを施すことで実現に至った」とコメントしている。

 加えて、イオンリテールが2023年に導入した需要予測・発注システム「AIオーダー」についても、6月から適用範囲を拡大する。新しく対象となるのは、日配品の漬物やチルド飲料、チーズ、ハム、デリカの冷総菜やサラダで、品目数としてはこれまでの約2倍となる。

aeon 既存のシステムでの発注の流れ(プレスリリースより引用)
aeon AIオーダーを使った発注の流れ(プレスリリースより引用)

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