円安で海外出店加速のワタミ 社長「だからこそできることがある」(1/2 ページ)

» 2024年05月08日 16時10分 公開
[ZAKZAK]
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 先月末にマカオ、香港、台湾のアジア各国のワタミの店を視察してきた。

 初日はマカオに向かった。カジノを含む巨大IR(統合型リゾート)施設「ギャラクシーマカオ」には、今年1月にオープンした高級ブランド「饗和民」がある。天井も高く、内装に数億円をかけた店は、1日200万〜300万円を売り上げている。

photo マカオの饗和民で担当社員と

 中国経済は失速しているといわれているが、マカオをみると、閑散期にもかかわらず、多くの利用客であふれかえっていた。カジノで一晩に1000万円、2000万円使う人で、すごい熱気だった。富裕層のパイの大きさを実感したが、現地では「1年働いて、1日でマカオで使い切る」という中間層の人も多くいるという。

 この世界一売り上げるワタミの店は、10年がかりだった。コロナ禍などもあり、なかなかプロジェクトが進まなかった。しかし担当社員が粘り強く、先方と関係を続けたことで出店にこぎつけた。ウサギとカメで言えば、カメが大きな成果をもたらした形だ。リゾート内に2号店の出店も決まり、今後も期待できる。

 翌日は香港に移動したが、2020年に導入された香港国家安全維持法の影響もあり、中国の色彩が濃くなり若者や外資系企業が次々と海外に流出している。街も驚くほど活気がなく、売り上げは苦戦している。ただ現地の社員には「だからこそできることがある」「香港で一番の店にするという大きな発想を持ってほしい」と逆境なりのエールを送った。

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