「トヨタのHV車」が好調、営業益が日本企業で初の5兆円台 欧州勢は?

» 2024年05月09日 13時19分 公開
[ZAKZAK]
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 トヨタ自動車の2024年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期の約2倍に当たる5兆3529億円と過去最高を更新した。営業利益が5兆円台に達するのは日本企業で初めて。ハイブリッド車(HV)の販売増や値上げ、円安が寄与した。売上高は21.4%増の45兆953億円、最終利益は約2倍の4兆9449億円といずれも過去最高を更新した。

 採算性の高いHVの販売が好調だったほか、性能向上に伴う値上げなどによる増益効果が2兆円と大きかった。為替の円安も6850億円の増益につながった。

 同社は電気自動車(EV)や人工知能(AI)、従業員の環境改善などに約2兆円投資する。トヨタの佐藤恒治社長はEVの世界販売を26年に150万台とする計画について「基本的にはペースを変えていない」と述べた。

 一方、欧州を拠点とする主要自動車5社の24年1〜3月期決算は、EVの販売が失速したほか、中国市場で苦戦を強いられ、フランスのルノーを除く4社が減収となった。

 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の売上高は前年同期比1%減の754億6100万ユーロ(約12兆6000億円)。ドイツで昨年12月にEV購入の補助金が打ち切られ、欧州市場でEVの販売台数が24%減と落ち込んだ。ドイツ勢では、メルセデス・ベンツグループの売上高が4%減の358億7300万ユーロ(約6兆円)。中国市場での乗用車の販売台数が12%減った。BMWは1%減、「ジープ」などを手がけるステランティスの売上高は12%減だった。

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