社保料や税滞納の倒産急増 なぜ?(2/3 ページ)

» 2024年05月18日 20時21分 公開
[産経新聞]
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 関西でも今年3月、昭和3年創業のタクシー会社「茨木高槻交通」(大阪府茨木市)とグループ会社が民事再生法適用を申請。滞納した保険料などを完済できず、4月末に大阪地裁から再生手続き廃止決定を受け、破産手続きに移行することになった。「社会保険料が約8億円、消費税は約3億円を滞納していた」と関係者は明かす。

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 日本年金機構の業務実績報告書によると、社会保険料の滞納事業者は令和4年度で約14万社。納付猶予措置があった2年度より2万社ほど減少したものの、納付できず苦しんでいる企業は多い。帝国データでは、特に社会保険料の猶予措置がコロナ禍中の企業の資金繰りを支えたとする一方、猶予措置が縮小して以降は、多くの企業が月々の支払いに猶予分を加えた「二重の納付」に窮しているとみている。

 帝国データ大阪支社の担当者は「社会保険料の納付が猶予された期間に業績を回復できなかった企業が今、苦しんでいると聞く。今後も公租公課の滞納を原因とした倒産が続くのではないか」と分析している。

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