日本IBMら4社、大阪・関西万博で視覚障がい者向けナビゲーションロボットの実証実験を計画

» 2024年05月31日 17時00分 公開

 アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本アイ・ビー・エムの4社が正会員として活動する次世代移動支援技術開発コンソーシアム(以下、コンソーシアム)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場内で、視覚障がい者向けナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験に取り組むことを発表した。会場内で複数のAIスーツケースを長期間にわたり同時に運用することで、社会実装に向けた運用モデルの技術的な課題を洗い出すなどの検証を行う計画だ。

photo アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本アイ・ビー・エムの4社は、大阪・関西万博の会場内で、視覚障がい者向けナビゲーションロボットの実証実験に取り組むことを発表(出所:プレスリリース、以下同)

 AIスーツケースは、視覚に障がいのある人を目的地まで自動で誘導することを目的に開発しているスーツケース型ロボット。

 これまでコンソーシアムと日本科学未来館が相互に技術協力を行い、大型ショッピングモールや新千歳空港、日本科学未来館などの屋内施設や、日本科学未来館から最寄り駅までの屋外空間などでナビゲーション技術の実証実験を行ってきた。さらに4月から日本科学未来館で毎日試験運用を行い、より多くの実証データを蓄積することで人混みでの誘導や障害物の回避などのナビゲーション技術の向上に取り組んでいる。

photo AIスーツケースは、視覚に障がいのある人を目的地まで自動で誘導することを目的に開発しているスーツケース型ロボット

 大阪・関西万博では、「未来社会ショーケース事業」の「スマートモビリティ万博」領域で、会場内で次世代のさまざまなロボットを実装・実証する「ロボットエクスぺリエンス」の展開を計画していて、そのひとつとしてAIスーツケースを採用した。

 日本科学未来館が中心となり開発し、段差の乗り越え機能を強化した新車輪機構や、低位置の障害物も認識するセンサーを新たに追加し改良を重ねた屋内外共通利用型の万博特別モデルを、コンソーシアムが実証に用いるという。具体的な運用期間やエリアなどは、2025年日本国際博覧会協会と調整を進める予定だ。

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