日本人が気づいていない、海外で売れる“ライトな”アニメグッズ現地で見えたもの(1/3 ページ)

» 2024年06月05日 08時00分 公開
[山口祐太郎ITmedia]

著者プロフィール:BEENOSグループ グローバルグロースハックチーム 山口 祐太郎

BEENOSグループ グローバルグロースハックチーム 山口 祐太郎

ECサービスの企画営業を担当後、新組織立ち上げに参加。

その後、物流系ITベンチャー企業に転職し、saas型新サービスの立ち上げから統括を行う。

現在はこれまでの経験を生かし、BEENOSグループにて日本法人や自治体向けに越境ECサービス事業の企画・導入のコンサルティングを行い、 年間約100案件のマーケティングやプロモーションなどの戦略策定や提案・支援を行う。

 コロナ禍以降の動画配信サービスの普及という強烈な追い風により、日本のアニメ市場はこれまで以上に海外で拡大しています。また、アニメ作品そのものだけではなく、アニメグッズの世界展開にも関心が高まっています。

 BEENOSグループは、海外の消費者が日本の商品を購入する際のサポートを行うサービス「Buyee(バイイー)」を主力事業とし、日本の商品やコンテンツの海外進出も支援しています。本記事では当グループが保有するデータや知見から、日本人が気付いていない海外市場におけるIP(Intellectual Property、知的財産)活用の可能性について解説します。

海外現地イベントで気づいた意外なニーズ

 2019年にアニメ『エヴァンゲリオン』の公式グッズを販売するECショップ「EVANGELION STORE」の、ECプラットフォーム「Shopee Taiwan」への出店を記念したイベントを開催しました。

催事会場の様子(提供:BEENOSグループ)

 イベントではフィギュアをはじめ、さまざまなアニメグッズを販売したのですが、その中で意外な人気を見せたのが、エヴァンゲリオン公式プロジェクト「RADIO EVA」のドラム型のリュックサックでした。キャラクターなどのプリントは無く、色やロゴづかいで関連グッズだと分かるようなデザインのリュックサックです。

人気を集めたエヴァンゲリオン公式プロジェクト『RADIO EVA(ラヂオエヴァ)』のリュックサック

 想定以上の人気から、イベントの際は販売数に制限を設けて対応しました。こうした需要を事前に把握できていれば、きちんと数量を確保して、より多くの方にお届けできたのではないかと思います。

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