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東京メトロ、業務に生成AI導入へ 問い合わせの利便性向上や業務効率化目指す

» 2024年06月21日 13時49分 公開
[ITmedia]

 東京地下鉄(東京メトロ)は6月18日、利用客向けチャットボットとお客さまセンターの業務に生成AIを導入すると発表した。生成AI ・LLMソリューションを提供するAllganize Japan(東京都渋谷区)と協業し、2024年秋の導入を予定している。東京メトロの「お客さまセンター」には年間約25万件の問い合わせがあり、生成AIを活用することで、問い合わせした際のお客の利便性向上や業務効率化を目指す。

mtr 提供:ゲッティイメージズ

 生成AI導入後は、3つの取り組みを進める。1つ目はお客さま向けチャットボット機能の高度化だ。現在、東京メトロ公式Webサイト上のチャットボットは、想定しているFAQをもとに回答している。そのため、多様化する利用客からの質問に回答しきれないという課題があった。

mtr お客さま向けチャットボット機能の高度化(プレスリリースより引用)

 生成AI導入後は、従来の機能に加えて、公式Webサイトの情報なども活用して回答を作成。チャットボットで回答可能な問い合わせの範囲を拡大し、利便性向上を図る。

 2つ目は忘れ物に関する問い合わせ方法の改善だ。忘れ物についてメールで問い合わせる際、忘れ物の検索に必要な情報をオペレーターやお客が何度も確認する必要があった。今後は、チャットボットで必要な情報を入力できるようになり、両者の手間が減るという。

mtr 忘れ物に関する問い合わせ方法の改善(プレスリリースより引用)

 3つ目はお客さまセンター宛へのメール対応の効率化だ。これまでは、オペレーターが「問い合わせ内容の把握」「回答に必要な情報の検索」「回答案の作成」をしていた。今後は、こうした業務を生成AIが自動化。業務効率を向上し、より多くの問い合わせに対応できるようにする。

mtr お客さまセンター宛へのメール対応の効率化(プレスリリースより引用)

 東京メトロは「Allganize Japanと協力し、『地下鉄を分かりやすく快適に』利用できるよう、質の高いサービスの提供に努める」とコメントした。

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