次にご紹介するのは「チャネルの壁」です。日本では特にオンラインを中心としたリテールメディアが先行し、展開が進んでいます。しかしオンラインだけで十分といえるでしょうか。
読者の皆さまは、「ゆっくりレジ」というレジを聞いたことがあるでしょうか。ご高齢の方など、焦らずゆっくり会計をしたい来店者のために設けられたレジで、全国的に導入が進んでいます。こういったものに代表されるように、来店者のデジタルリテラシーや求めている体験はさまざまであることが分かります。
小売店のオペレーションDXにハイブリッド対応が必要であるならば、マーケティングDX(=リテールメディア)にもおなじくハイブリッド対応が必要です。後述する店頭体験を引き起こすための1to1メッセージにも、オンライン・オフラインを組み合わせたチャネル横断を実施する必要があります。
チャネル横断にはもう1つ重要なポイントがあります。いくつものチャネルで横断的に施策を展開できるアセットを持つ場合、1st partyデータホルダーである小売業者は、各ターゲットにおけるマーケティングファネルの最初(認知の獲得)から最後(購買)までのジャーニーにリーチできる価値を持つようになります。
認知から購買に至るまでのジャーニーを設計し、最終的な購買までをKPIとして追えるようなメディアは他になく、他の広告媒体に比べて強力な独自性を持てるようになるでしょう。
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