別の事例もご紹介します。折り畳み式のポンチョはたくさんありますが、「使いづらい」「ダサい」と感じる人も少なくありません。そこで、アパレルメーカーのスポット(岐阜市)という会社が新たなアイデアとして、ファッショナブルな持ち運びパーカーを開発しました。
「お守りパーカー」というコピーも斬新です。「うっとうしい雨も、これがあれば乗り越えられるのではないか」と思わせる表現が、消費者の心をつかんだのではないでしょうか。
「うっとうしい」「面倒くさい」といった感情は、人間の根本的な欲求にも関連しています。物にあふれ、インターネットでつながった便利な現代でも、そのような感情が芽生えるタイミングは多くあります。しかし、何度もそのようなシーンに遭遇すると、自然と慣れてしまうもの。
日常生活の悩みを目ざとく見つけて言語化し、解決の手段を考えることがヒット商品を生み出す上で重要です。皆さんの日常生活の中には、どんな「うっとうしい」「面倒くさい」が存在するでしょうか。
人間の脳の処理能力には限界があります。そのため、こうした感情にいちいち反応しないように慣れていってしまうのではないかと考えています。マーケティングや商品開発の担当者は、そういった「慣れ」と戦いながら、日常にこそヒントがあると意識して商品企画に臨むとよいかもしれません。
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