特に影響が大きいのは、人を介さない決済の場面だ。券売機、自動販売機、駐車場の精算機などでは、新紙幣が使えないことによる不便さが顕著に現れる。これらの場面で、スマートフォン決済やクレジットカードのタッチ決済の利便性が際立つことになる。
ただし、この影響は一様ではない。医療機関や公共料金の支払いなど、現金決済が主流の分野では、新紙幣への対応が比較的早く進む可能性が高い。一方で、小規模な小売店や自動販売機など、更新コストが経営に大きな影響を与える分野では、対応が遅れる可能性がある。
このように新紙幣の発行は、現金派の消費者の行動にも影響を与える可能性がある。現金取扱機器の更新遅れによって一時的に現金の利便性が低下すれば、これまで現金を好んでいた消費者もキャッシュレス決済を選択する機会が増えるかもしれない。
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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