同社インサイドセールス組織の業務はここ数年で、かなりシンプルになってきた。
そもそも同社は2021年に各プロダクトごとに組織を編成する事業部制を廃止し、マルチプロダクト体制を導入。しかし、インサイドセールスは全商材の案内をする必要があり、インプットすべき情報が多くなってしまった。商材の理解度が上がらず、顧客に最適な提案をすることが難しいという課題が生まれたという。
2023年には事業部制を再開。各商材に専門のインサイドセールス組織が配置され、担当サービスだけの提案に専念できるようにした。「Sansan事業部であれば、営業DXツール『Sansan』にフォーカスし、お客さまに価値提供する方法を模索できる。お客さまにとっても、そのサービスのプロが担当してくれることはメリットだと考えている」(稲毛氏)
しかし、Sansan事業部はもう一つ課題を抱えていた。営業DXツール「Sansan」は、セキュリティやデータ連携機能などのオプションが多く、提案内容が非常に複雑化していたのだ。
「一社一社に対し適切なオプションを盛り込んだ提案内容を作成したり、オプションごとに単価を確認し、金額を電卓で細かく計算したり……。これまでは、インサイドセールスが顧客の課題をヒアリングし、プランを検討して一件一件見積もりを作成しており、負担が大きくなっていた」(稲毛氏)
そこで、ライセンス体系の見直しを実施。名刺管理機能のみを持つミニマムな「Lite」、Liteの内容にデータベースの機能を追加した、中堅・中小企業向けの「Standard」、Standardに高度なセキュリティ機能を追加した大企業向けの「Enterprise」――の3種類のプランを用意した。プランの内容が顧客の規模やツールの用途によって明文化されているため、新たにオプション提案などをする必要はなくなった。
これにより端的に提案するプランを決められるようになった。「お客さまも理解しやすいライセンス体系になっているため、ご案内時間はかなり短縮したと感じている」(稲毛氏)
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