なぜマネーフォワードは“祖業”を新会社に移したのか 決断の背景に「収益化」「ポイント経済圏」定点観測(1/5 ページ)

» 2024年07月19日 10時46分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 マネーフォワードが、創業以来の事業を大きく転換する決断を下した。

 2024年7月17日、同社は三井住友カードとの資本業務提携を発表。この提携に伴い、マネーフォワードは創業以来12年間守り育ててきた個人向け資産管理サービス「マネーフォワードME」事業を分社化し、新会社に移管する方針を明らかにした。新会社の株式49%を三井住友カードが取得し、残りの51%をマネーフォワードが保有する。

三井住友カードの大西幸彦社長(右)とマネーフォワードの辻庸介社長

 この決断は、マネーフォワードにとって「創業から12年間で最も大きな意思決定」(辻庸介社長)となる。1610万人もの利用者を抱え、国内最大級のPFM(個人資産管理)サービスとして知られるマネーフォワードMEは、同社の看板事業であり、社名の由来ともなった祖業だ。それを新会社に移すという決断の背景には、PFMサービスが長年直面してきた収益化の課題がある。

 マネーフォワードは、なぜこのタイミングで祖業を新会社に移すという重要な決断を下したのか。そして、三井住友カードとのタッグは、PFMサービスの収益化という業界共通の課題にどのような解決策をもたらすのか。

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