さて、このような「ほろ苦い現実」を理解すれば、脱サラしてカフェ・喫茶店経営に乗り出そうとしている人たちがやらなくてはいけないことが見えてくるだろう。バリスタ学校に通ってコーヒーの専門知識を身に付けることも大事だが、その前にまず押さえなくてはいけないことがある。
それは「雰囲気づくり」だ。
仕事の合間にフラっと寄って落ち着く。うまく言い表せないけれど座っているだけで癒される。流れている曲やマスターの人柄に落ち着く。なんか分からないけれど仕事がはかどるし、アイデアもよく出る。……という感じでその店にしか醸し出すことができない「雰囲気」の方向性を決めて、それをブラッシュアップしていくのだ。
インテリアや椅子にこだわってもいい。趣味や世界観など何かしらのコンセプトを全面に押し出してもいいだろう。あるいは、自分自身がカウンター内で客の癒しになれるよう、教養やコミュニケーション能力を磨いて「雰囲気のある人」になるという手もある。
そういう他にはない唯一無二のカフェ・喫茶店を目指すやり方もあれば、思い切ってトレンドに丸乗りをする手もある。
例えば、今ならば「昭和の純喫茶」だ。
筆者は2022年1月に公開した本連載の記事「喫茶店数は30年で半減! 『純喫茶』はこのまま絶滅してしまうのか」にて、これからは「昭和の純喫茶」をベースに、令和のトレンドを取り入れた「ニュー純喫茶」が増えていくのではないかと予見していた。まさしく今、そのような動きが起こりつつあるのだ。
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