BDRは自社で連絡先情報(リード情報)を取得していない企業への施策となるので、どの会社にアプローチするかを整理するリストが必要になる。日本だとスピーダ(旧FORCAS)、Sansan、Sales Markerなど、企業一覧のリストを作るようなツールが必要だ。
スピーダは、自社がすでに取引や商談をしている企業のリストを共有すれば、相性のいい企業リストが偏差値のようなデータとともに出てくる。「こんな会社と取引してるなら、この会社も相性がいいのでは?」と企業リストを出力する。
Sansanは従業員みんなで名刺を登録しあえば、会社としてアプローチ可能な企業のリストが出てくる。企業リストを見ながら「◯◯企業はXXさんがつながっているのでアプローチできるよね」といった会話ができる。
Sales Markerは自社に関連するキーワードを検索している企業のリストが出てくる。インテントデータ(Web上の行動データ)を読み取り、「こんな検索をしている企業なら相性がいいのでは?」と仮説を立て、リストを作ることができる。
加えて、バフェットコードのような投資家向けの財務や株価の分析ツール、市販で売っている業界地図のガイドブックなども活用する。人脈が豊富な人材が登録している顧問サービスや、「元◯◯の取締役」といった肩書を持つ人が多数いるコンサルティング会社への契約を検討することもある。
このように、自社では取引をしていないが、今後取引ポテンシャルが高い企業を一覧化するために、ツールを活用しながら企業リストを作るのがBDRの第一歩である。
リスト化された企業群に対して効果的なアプローチをするためには、自社の製品ソリューションによる課題解決のシナリオを言語化できなければならない。手紙やメール、電話といった手段により、一瞬で「この会社は自社をよく理解しており、相談したい相手だ」と判断してもらうためのストーリーがなければならない。
まずは、自社の契約企業を参考に、課題解決の成功事例を整理しよう。BDRによるアプローチとしては、「すでにこのような成功事例があり、御社でも再現性を持って価値提供ができる」と言ったトークが鉄板である。全く成功事例がなく、ノウハウの証明ができない場合、先方は「なぜ知らないお前らの提案を聞かないといけないんだ」となる。そのため、この課題解決ストーリーの紹介方法が肝となる。
訴求メッセージを磨き込むためには、実際に既存の大手顧客にインタビューをしたほうがいい。何に課題を感じていて、どんなきっかけで自社との取り組みを開始して、どういうソリューションに価値を感じてもらい、どんな効果が出たのか――。顧客の生の声が、BDRにおけるシナリオプランニングの参考になる。
案件減らし売上2倍に アドビの最強インサイドセールス部隊は、いかに大口受注を勝ち取るのか
2年分のアポをたった半年で獲得、なぜ? TOPPANデジタルのインサイドセールス改革
【徹底解説】インサイドセールスの「9割」をAIとツールで完結する方法
「ChatGPT一択」ではない 営業のプロが解説、商談のレベルを底上げする生成AIサービス活用法
リードの40%が商談化!? 米国式インサイドセールス「BDR」の実力とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング